自由設計・永住型マンション
かつてはマンションの間取りを変えたりすることはきわめて困難といわれていましたが、最近では将来のライフスタイルの変化におうじて間取りの変更も可能な、自由設計を売りにしたマンションも数多く出ています。「SI住宅」などと書かれているのがそれにあたります。
ちなみにこのSIとは、S=スケルトン(Skeleton)、I=インフィル(Infill)の頭文字をとったものです。ちなみにスケルトンは建物の構造部分である柱・梁・外壁・床などを指します。
そしてインフィルは配管・配線・内装・間仕切りパネルなどを指します。で、SIとは、このスケルトン部分とインフィル部分を切り離して、インフィル部分を高い自由度で変更できるようにしたものです。
また、このSI工法を採用しているマンションは、コンクリートも高耐久のものを使用して、長年にわたり安心して住めることをアピールしていることが多いです。躯体が丈夫で長持ち、間取りはいつでも変えらえる。これはうれしいですね。
といった感じで、永住思考に応えられるSIというのはとても画期的な工法ではあるのですが、まったく問題がないわけではありません。それは、配管まで動かせる=水周りの位置まで移動させることができる、ということ。もちろん、居住者にとってみればそれは嬉しいことですが、同時に周辺住戸にたいして、今までなかった騒音問題をひきおこしてしまう可能性があるのです。
まず、分譲時の段階では、上下階の水周りの位置は同じ。そして、隣の住戸とは、左右が反転するような形で、水周り同士が隣り合うように設計されているのが一般的です。
なぜこのような設計になっているかというと、水周りは意外と大きな音が出ますので、多少遮音がしっかりしていても、完全に聞こえなくするのは不可能に近いのです。なので、なるべく他の居室に影響を与えないよう配慮されているわけですね。
ところがこの水周りを移動させてしまうと、たとえば隣や上下階の寝室に、これらの音が大きく響いてしまう、といった事態にもなりかねません。もちろん、周辺住戸が間取りを変えたために、自分がある日いきなり水周りの騒音の被害を受ける、ということもあります。
自由にプランを立てられる、というのと、自分たちだけの都合で好き勝手にしていい、というのとは少し違うと思います。どんな工法にも必ずメリットデメリットはあるのですから、長所だけを見て舞い上がらず、総合的な特性をしっかり理解した上で検討しましょう。