免震マンションはコストに注意
地震大国・日本においては、どこに住んでいても、今後の地震被害にあう可能性があるといえます。それでもかつては甘く見られていたところがありましたが、阪神・淡路大震災をきっかけに、人々の地震にたいする意識は一気に高まり、これ以降、マンション一戸建ての区別なく、「地震で倒壊しない建物」が求められるようになりました。
特に最近は、地震の力に建物が耐えるという「耐震」だけではなく、建物に伝わる地震の力そのものを軽減する「免震」という考え方も広がってきています。建物そのものの揺れが軽減されるので、家具の転倒などの危険性も低くなる、というわけです。
そんなわけで、ちょくちょく目にするのが、免震装置を設置した免震構造マンション。ちなみにこの免震装置は、基礎と建物の間に設置します。
免震装置には、まずほとんど全ての場合、積層ゴムアイソレーターというものが使用されます。これは免震装置の基本といえますが、マンションによってはさらに3種類・4種類といった複数の免震装置をつけているところもあります。
さて、こういった免震装置は心強いのですが、問題はメンテナンス。といっても、普段動かすわけじゃありませんので、エレベーターのように月々の維持費がかかるというわけじゃありません。
問題なのはアイソレーターのゴムの劣化などです。やはり数十年もたてば、何もなくても劣化は避けられません。劣化したところは取り替えが必要になってくるのですが、なんせ免震装置はマンションの下。取り替え作業するためには、ジャッキアップなど大掛かりな作業が必要になってきます。
ジャッキアップといっても一戸建てとは比較にならない大きな建物です。おそらく、その作業だけでも莫大な費用がかかるでしょう。それに装置の入れ替えを加えると、億単位の出費になることも珍しくないと思います。
何がいいたいかというと、免震装置を備えたマンションを検討する際は、そのマンションの修繕管理面において、このメンテナンスについてもきちんと試算をとって、修繕積立金に計上しているかどうかということです。免震装置は命と財産を守るための大切な装置であるからこそ、劣化したまま放置するようなことは決してやってはいけないと思います。
また、免震装置は50年ほどはもつ、という話もありますが、あくまで自然とはことなる実験データ上の数値でしかありません。実際のところはまだ誰にも分からない、というのが現状です。
「実際のところ、メンテなしでいけるのはせいぜい20年から30年だ」という意見もありますし、たとえ修繕積立金に計上していたとしても、データだけを鵜呑みにして50年計算ギリギリでやっているところはちょっと心配ですね。